おはなし
クリスマスのお話
ゆめあるオリジナルのクリスマスのお話。
サンタクロースのしろいふく
第1回 クリスマスのお話投稿コンテスト優秀作品
- 文:筒井さえこ
- 声:武川鈴子(koebu)
- 絵:Chie33
本文
きょうはクリスマス。
サンタクロースはおおいそぎでしたくをしています。
ひげをととのえて、おきにいりのしろいふくをきて、そうそう、ぼうしもわすれずに。
「さぁ、じゅんびはできたぞ!しゅっぱつだ!」
そのとき・・・。
「しくしくしく・・・。」
だれかがないているこえがします。
サンタクロースがそとにでてみると、トナカイたちがないていました。
どうしてないているのか、わけをきいてみると、
「まっかなおはなのトナカイは、みんなにわらわれるんだ!
こんなはなじゃ、はずかしくってどこにもいきたくない!」
トナカイはすわりこんでうごこうとしません。
「困ったなぁ。はやくいかなきゃ、みんなプレゼントをまっているのに・・・」
サンタクロースがなやんでいると、そこにいっぴきのあかいことりがとんできました。
それはそれはきれいなあかで、しろいゆきのなかできらきらとかがやいています。
「そうか!そのてがあった!」
サンタクロースはおおいそぎでおうちにはいり、なにやらゴソゴソはじめました。
しばらくして、でてきたサンタクロースのすがたにトナカイたちはびっくり!
たいせつにしていたしろいふくを、まっかにぬっているではありませんか。
「これでぼくもまっかさ!きみたちとおんなじだね!」
トナカイたちは、サンタクロースのやさしさにとてもうれしくなりました。
「ありがとう。もうはずかしくなんかないや!
はやくみんなにプレゼントをとどけなくっちゃね!」
こうしてげんきをとりもどしたトナカイたちは、まっかなふくをきたサンタクロースといっしょにおそらへとびたちました。
あれ?プレゼントもった?
クマのサンタさん
第1回 クリスマスのお話投稿コンテスト優秀作品
- 文:小島力
- 声:結城ハイネ(koebu)
- 絵:黒崎ゆき
本文
とあるお山の奥深く クマの親子が住んでいました。
「さあさぼうや、ぼんやりしてないで早くドングリ集めてね」
今日はおかあさんのお手伝い、でもぼうやなんだかうわのそら。
「ねえ、どうしても冬眠しなきゃだめ?」
冬になると、サンタさんっていう赤い服きたおじいさんが、
すてきなプレゼントを持って来てくれるって話を、
学校のお友達から聞いたらしいのです。
「ねてたらボクんち来てくれないかな?」
「クマのサンタさんは、やっぱり冬眠しちゃうのかな?」
「ねえ、おきて待ってなくてだいじょうぶ?…」
めをこすりながらがんばってサンタさんにお手紙をかいているうちに
とうとうねちゃったクマのぼうや
良い夢みてるみたいです。
春になって目が覚めると、
外はぽかぽかの日差しとふかふかの緑の草原。
それはきっとサンタさんからのプレゼントかも知れませんよ?
サンタさんへのプレゼント
第1回 クリスマスのお話投稿コンテスト最優秀作品
- 文:こぐまじゅん
- 声:天酒~tensyu~(koebu)
- 絵:タナカ*アイコ
本文
ゆうかちゃんは、もうすぐくるクリスマスを、とっても楽しみにしていました。
おかあさんが、
「ゆうかちゃん、サンタさんは世界中のおともだちにプレゼントをくばってまわるから、たいへんなんだよ。何かお礼のプレゼントを送りたいね。」
と言うので、ゆうかちゃんは、折り紙で、お花を折ることにしました。
雪の中をそりにのって走ってくるサンタさんに、かわいいお花をみせてあげたいと思ったのです。
赤や黄色、ピンクの折り紙で、たくさんお花を折りました。
クリスマスイブの晩。
靴下のとなりに、
「サンタさんへ
お花をどうぞ
ゆうかより」
と手紙を書いて、お花をおいておきました。
翌朝、起きてみると、枕元にサンタさんからの手紙がありました。
「ゆうかちゃんへ
ゆうかちゃん、お花をありがとう。お礼をくれた、ゆうかちゃんは、やさしい子だね。
プレゼントは、ほしがっていた子犬のぬいぐるみだよ。かわいがってね。
サンタより」
ゆうかちゃんは、子犬のぬいぐるみをだっこして、ほおずりしました。
おにのこサンタ
第1回 クリスマスのお話投稿コンテスト優秀作品
- 文:京と不可思議
- 声:井上日夏(koebu)
- 絵:キロン
本文
いちねんのおわり 12がつ。
まちには ちらちら しろいゆき。
そこを ひとりの おにのこが、
てくてく あるいて おりました。
「もしもし あなた サンタさん?」
たずねられて ふりむけば、
そこには ひとの おんなのこ。
「おれは おにのこ。 サンタじゃ ないやい」
「だけど あなたは あかいじゃない」
「あたまのつの に くちのきば。
これでも サンタと いうのかい?」
「だって ふくろも しょってるわ」
「こいつのなかみは きたかぜさ。
プレゼントじゃなくて わるかったなあ」
しょんぼり しちゃった おんなのこ。
わたわた そわそわ あせる おにのこ。
「なあなあ じょうちゃん おれだって、
できたら なきがお みたくない。
できたら えがおが ほしいのさ」
そのとき ふたりの まうえから、
しゃんしゃんしゃん と すずのおと。
「おにも サンタも いいこの みかた」
サンタのおじさん そういって、
そりからくれた プレゼント。
おんなのこに ひとつ。
おにのこにも ひとつ。