- 文:田中和美
- 声:渋谷朋子
- 音楽:HiLi(こんとどぅふぇ)
- 絵:ささきまゆ
本文
あるところに、おとうさんとおかあさん、そしてかわいいおんなのこがしあわせにくらしていました。
しかしおかあさんがびょうきでなくなってしまい、おとうさんはあたらしいおかあさんとけっこんしました。
おかあさんにはふたりのむすめがいて、あたらしいおねえさんになりました。
それからおんなのこのせいかつは、かわっていきました。
おんなのこはおかあさんやおねえさんにいいつけられ、いえのそうじや、みのまわりのおせわをしました。
へやもとりあげられ、えんとつのそばの、はいまみれのベッドだけになりました。
おんなのこは「シンデレラ」とよばれ、いじめられます。
「シンデレラ」は、「はいかぶり」といういみです。
あるひおしろからぶとうかいのしょうたいじょうがとどきました。
ふたりのおねえさんはさっそくシンデレラにドレスやくつをつくらせました。
シンデレラはおおいそがしです。
ぶとうかいのひ、シンデレラはいえでないていました。
ほんとうは、シンデレラもいきたかったのです。
するととつぜん、ようせいがやってきます。
「いつもがんばりやさんのおまえに、ごほうびをあげるよ。かぼちゃと、ねずみを5ひきもっておいで」
シンデレラはいわれたとおりにもってきました。
「いいかい、ニャムニャムニャ~!」
ぽんっ! ぽんっ!
たちまちかぼちゃはりっぱなばしゃに、5ひきのねずみはおとものにんげんになりました。
「おつぎはドレスだ。ニャムニャムニャ~!」
ぽんっ!
シンデレラはうつくしいすがたになりました。
「いいかいシンデレラ、このまほうは12じをすぎるときえてしまう。きをつけるんだよ」
シンデレラがおしろにつくと、すぐにおうじさまがやってきました。
いっしょにおどり、おしゃべりし、たのしいじかんをすごしました。
ごーん ごーん
12じのかねのおとにきづいたシンデレラは、びっくりしました。
あわててはしりだします。
しかしとちゅうで、ガラスのくつがかたほうぬげたことにきがつきませんでした。
おうじさまはガラスのくつにぴったりなひととけっこんすることにしました。
ガラスのくつをもって、くにじゅうのいえをたずねます。
シンデレラのいえにもおうじさまたちがやってきました。
ふたりのおねえさんははけませんでしたが、シンデレラにはぴったりです。
「おお、あなたこそわたしのおひめさまだ! ぼくとけっこんしてください!」
シンデレラはてれながらいいました。
「はい、よろこんで」