落語「まんじゅうこわい」を子供向けに分かりやすくアレンジ。
個性的なおもしろいキャラクター が登場するよ。
くわしくみる
本文
今日は留(とめ)さんのたん生日。
長屋のみんながあつまって、わいわいしゃべっていたそうな。
「さあさあ、かしでも食べようよ」
「留さん、たん生日おめでとう」
そこへ熊(くま)さんやってきた。
「うわーん、こわいよ、ヘビが出た」
「そりゃ大へんだ、かまれたか?」
「ちがうよオレは長いもん、みんなキライだ、こわいんだ。ウナギにドジョウ、うどん、そば……」
そしたら辰(たつ)が大わらい。
「まったく熊さんだらしねえ」
「辰はわらっているけれど、こわいもんはないのかい?」
「そうだなオレはひとつだけ、まんじゅうこわいと思ってる」
「まんじゅうこわい? ホントかい?」
「うーん、こわくてたまらない。ちょっとフトンでねてくるぜ」
みんなビックリぎょうてんで、なんだか楽しくなってきた。
「しめしめイタズラしちゃおうよ。まんじゅういっぱい用意して」
「辰にあげよう。これこそが、アンコなだけにアン殺(さつ)だ」
山もりまんじゅう買ってきて、ドドンと辰へ見せたとさ。
「うわあ、まんじゅうこわいこわい」
辰はむっくり起き上がり、こわいと言いつつまんじゅうペロリ。
「こわいよまんじゅう、うまいうまい。こわいよ、うまいよ、ありがとう」
留さん熊さん、にがわらい。
「しまったやられた、だまされた。ホントはいったい何こわい?」
「そうだな、のどがカラカラだ。今ならあつい茶がこわい」
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