- 文:東方明珠
- 声:川本知枝
- 絵/アニメ:夢山イラスト
本文
むかしむかしの おはなしです。
さんびきの こぶたが、じぶんの いえを つくりました。
いちばん うえの こぶたは、わらの いえ。
「すぐに できたよ」
にばんめの こぶたは、きの いえ。
「かんたん だったよ」
そこへ、わるい おおかみが やってきました。
「こんな いえ ひとふきだ」
はないきを ぷーっ!
わらの いえも きの いえも、ばらばらになって しまいました。
「たすけてー」
にひきの こぶたは、おとうとの いえまで にげました。
いちばん したの こぶたは、
かたい れんがの いえを つくって いました。
「がんばったから、じょうぶに できたよ」
「さんびき まとめて たべてやる」
おおかみは おおきな はないきを ぷぷーっ!
けれども、れんがの いえは びくとも しません。
「ようし。それなら えんとつから はいってやる」
「どうしよう、おおかみが やってくる」
にいさんたちは、おろおろ しています。
「だいじょうぶ。ぼくに まかせて」
おとうとは、かまどに おおきな なべを おき、
おゆを ぐらぐら わかしました。
えんとつから おちてきた おおかみは、
あつい おゆの なかへ どぼん!
「あっちちち!」
おしりは まっかっかの おおやけどです。
「こぶた なんて、もう こりごりだー」
おおかみは にげて いきました。
さんびきは れんがの いえで、
いつまでも なかよく くらしましたとさ。