こぶのある優しいおじいさんと、意地悪なおじいさんが鬼の前で楽しく踊るお話。
いつもニコニコ優しく過ごしていると良いことがいっぱいおきますよ!
くわしくみる
本文
むかしむかしの おはなしです。
ほっぺに おおきな こぶのある おじいさんが ふたり いました。
ひとりは やさしい おじいさん。
「こぶじいさんが いるぞ」
こどもたちが からかっても、にこにこ しています。
ところが もうひとりは「こらー!」
いつも どなりちらしている いじわるじいさん でした。
あるばん、やさしい おじいさんは おにの えんかいに まよいこみました。
「いのちだけは たすけて ください」
「それなら たのしく おどって みせろ」
おじいさんは がんばりました。
くるくる まわり ぴょーんと はねて、いっしょうけんめい おどります。
「いいぞ!」
おには おおよろこび。
「あしたも こい。それまで こぶを あずかっておく」
そして、おじいさんの こぶを すぽんと ぬきました。
おじいさんの ほっぺは すべすべに なりました。
いじわるじいさんは うらやましくて たまりません。
「あしたは わしが かわりに いく」
おにの えんかいへ でかけていきました。
「きょうも おどりを ひろうします」
いじわるじいさんは おどりました。
けれども、へたくそで みていられません。
おには あきれて いいました。
「えんかいは おわりだ。こぶは かえしてやる」
こぶを ぽーんと なげて よこしました。
すぽん!
なんてことでしょう。
いじわるじいさんの ほっぺは こぶが ふたつに なってしまいましたとさ。
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