おはなし

偉人・伝記シリーズ

年長さんから小学校低学年向けの、偉人を紹介するお話。

野口英世

くわしくみる

本文

いまから 140ねんまえ
のぐちひでよは とうほくの まずしい のうかに うまれました。

1さいの とき
「たいへんよ。こどもが いろりに おちたの」
ひでよは ひだりてに おおやけどを おいました。
おかあさんが ひっしに てあてを してくれましたが、
ひだりては にぎったまま くっついて ひらかなく なりました。

きんじょの こどもは ひでよを からかいました。
「ひだりてで じゃんけんを しようぜ」
ひでよは ぐーしか だせません。
「くやしいよう」
おかあさんは ひでよを はげましてくれました。
「だいじょうぶ。べんきょうに ひだりては かんけいないよ」
ひでよは いっしょうけんめい べんきょう しました。
やがて、がっこうで いちばん かしこく なりました。

あるひ、ひでよは さくぶんを かきました。
「ちいさいころ ひだりてを からかわれて かなしかったです」
せんせいや ともだちは なみだを こぼして いいました。
「おかねを だしあって びょういんへ つれていこう」
みんなの おかげで ゆびが うごくように なりました。
「ありがとう。ぼくも、だれかを たすける しごとが したい」
おかあさんは しごとを ふやして、ひでよの べんきょうを ささえました。

ひでよは おいしゃさんに なりました。
「もっと やくにたつ けんきゅうが したい」
あめりかへ わたり どくへびに ついて しらべました。
「ひでよは いつ ねているの?」
なかまが ふしぎに おもうほど、よく はたらきました。
ひでよの けんきゅうは おおくの いのちを すくいました。

いそがしい ひでよは なかなか にほんへ かえって きません。
おかあさんは しんぱいして、こころの こもった てがみを おくりました。
「はやく かえって きてください
 はやく かえって きてください
 はやく かえって きてください」
ひでよは いそいで きこくして、たっぷり おやこうこうを しました。

そのごも ひでよは けんきゅうを つづけました。
あふりかに いたとき、じぶんも びょうきに かかって しまいました。
51さいで なくなるまで、せかいじゅうの ひとびとを たすけたのでした。

トーマス・エジソン

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 声:結城ハイネ
  • 絵:みのもまりか
  • アニメ:ゆめある

本文

いまから 170ねんまえ
えじそんは あめりかで うまれました。

えじそんは しりたがりの こどもでした。
「がちょうは どうやって うまれるの?」
たしかめたくて たまごを だいて なんじかんも すわりこみました。

また あるときは、
「なんで ひは もえるの?」
ものおきごやで こっそり ひを つけてみました。
すると ぼうぼうと もえうつり、こやが もえてしまいました。

しょうがくせいに なっても しつもんばかり でした。
「どうして 1たす1は 2なの?」
「ねんど 1こと 1こを あわせたら おおきな ねんどが 1こなのに なぜ?」
うまく こたえられない せんせいは おこってしまいました。
「きみは もう がっこうに こなくていい」

しょんぼりしていると おかあさんが いいました。
「それなら おうちで べんきょう しましょう」
えじそんは たくさんの ほんを よみました。
おかあさんは どんな しつもんにも こたえてくれました。

そして、ちかに じっけんしつを つくってくれたのです。
「わからないことは なんでも ためして ごらんなさい」
えじそんは はつめいに むちゅうに なりました。

でんわを つかいやすくしたり、
おんがくを ながす きかいを つくったり、
えじそんの はつめいは みんなの くらしを べんりに しました。

「よるに なっても ずっと あかるい でんきが ついたら いいなあ」
とうじの あめりかでは あかりと いったら らんぷや ろうそく でした。
すぐに きえてしまうのです。

「ながく ひかるには どうしたら いいかな」
いろいろな ほうほうを ためしました。
そして とうとう いい ざいりょうを みつけました。
にっぽんの たけを つかってみたら 1000じかん いじょう あかりが ついたのです。
あかるい でんきが ともった まちに ひとびとの わらいごえが ひびきました。

「えじそんは かしこいなあ」
みんなは えじそんを 「はつめいおう」と よんで ほめました。
でも えじそんは いいました。
「ほんの ちょっぴりの ひらめきと たくさんの どりょくの おかげだよ」
えじそんは しょうがいで 1000こ いじょうの はつめいを したのでした。

ライト兄弟

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 声:結城ハイネ
  • 絵:みのもまりか
  • アニメ:ゆめある

本文

いまから 150ねんほどまえ
ライト きょうだいは アメリカで うまれました。
あには ウィルバー。
よんさい したの おとうとは オービル です。

ふたりは おもしろいことが だいすきでした。
まいにち がらくたを ひろってきて いろんなものを つくります。
「だいどころを つかって いいわよ」
おかあさんは きょうだいの じっけんを おうえんして くれました。

あるひ、おとうさんが おもちゃの ひこうきを くれました。
「すごいや」
ふたりは むちゅうで あそびました。
こわれても なおして つかいました。

そのうち じぶんたちで おなじものを つくるように なりました。
「いつか ぼくたちも そらを とびたいな」
おかあさんは いいました。
「こつこつと どりょくを かさねていけば、
どんな むずかしいことでも かならず できるわよ」

おとなに なった ライト きょうだいは
じてんしゃやさんで はたらきながら ひこうきを つくり、
そらを とぶ じっけんを つづけました。

「くうきより おもいものは とべるわけが ない」
みんなは ばかに しました。
とうじの あめりかでは きかんしゃや くるまは あっても
えんじんで うごく ひこうきは まだ なかったのです。

けれども ふたりは あきらめませんでした。
「さんこうに なる ほんを よもう」
「もういちど せっけいずを かきなおそう」
なんかいも なんかいも ためしました。

そして ウィルバー 36さい
オービル 32さいのとき、
ついに ふたりの ひこうき 「ライト フライヤーごう」が かんせいしました。

「むりに きまっているよ」
けんぶつにんは たったの 5にん。
けれども きょうだいは そろって いいました。
「きっと そらを とぶと しんじている」
おおぞらに はばたく ひこうきを みて だれもが おどろきました。
ライトきょうだいは とうとう ゆめを かなえたのでした。

ヘレン・ケラー

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 声:結城ハイネ
  • 絵:みのもまりか
  • アニメ:ゆめある

本文

いまから 140ねんほどまえ
ヘレン・ケラーは あめりかで うまれました。

1さいの とき たいへんな びょうきに かかりました。
「にしゅうかんも ねつが さがらないわ」
おかあさんの ひっしの かんびょうで、ようやく びょうきが なおりました。

けれども、たかい ねつが つづいたせいで めが みえなくなりました。
みみも きこえません。
ことばが わからないので、おしゃべりも できませんでした。

かわいそうに おもった おかあさんは ヘレンを あまやかしました。
すると、ヘレンは わがままに なってしまいました。
「ごはんを てで たべては だめよ」
「ものを なげたら あぶないわ」

いうことを ちっとも ききません。
「これでは ヘレンの ために ならない」
おかあさんは、サリバン せんせいという かていきょうしを つれてきました。

ヘレンと サリバン せんせいは まいにち けんかばかり でした。
ところが あるひのこと。
「にわで みずあそびを しましょう」
せんせいが いどの みずを ヘレンの てに かけました。

そして ぬれた てのひらに
「み・ず」
と、かきました。

(みず。これは みずと いうの?)
ヘレンは はじめて ことばを しりました。
(うれしい。もっと おしえて)

せんせいは たくさんの ことばを おしえてくれました。
「せんせい。あげる。いく。あかちゃん……」
ヘレンは どんどん おぼえました。
まっくらだった せかいが きゅうに あかるくなったみたい でした。

それから ヘレンは いっしょうけんめい べんきょうを しました。
サリバン せんせいは いつも そばで たすけてくれました。
「なんて がんばりやさん だろう」
だれもが ヘレンを みて ゆうきを もらいました。

おとなになった ヘレンは からだの ふじゆうな ひとたちの ために せかいじゅうを とびまわりました。
「あきらめなければ どんなことだって できるのです」
ひとびとは ヘレンと サリバン せんせいを 「きせきのひと」と よびました。

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