おはなし

小人のクツ屋(こびとのくつや)

グリム童話「小人のクツ屋」。

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 声:結城ハイネ
  • 絵/アニメ:ゆめある

本文

むかしむかしの おはなしです。
あるところに びんぼうな くつやが いました。
あと いっそくぶんしか かわが ありません。
「さいごの くつは あした つくろう」
あしの かたちに かわを きり ふとんに はいりました。

よくあさ
いつのまにか すてきな くつが できています。
「だれが つくったんだろう」
くつやは びっくり しました。

くつは すぐに うれました。
その おかねで にそくぶんの かわが かえました。
くつやは あすの じゅんびを してから ねむりました。

つぎのひ
にそくの くつが できていました。
こんかいも あっというまに うりきれ。
おなじことが なんども おこり
くつやは おかねもちに なりました。

あるばん くつやの ふうふは へやを のぞいてみました。
すると、はだかの こびとが ふたり あらわれました。
「こんやも たのしい くつづくり」
「ちくちく とんとん ちく とんとん」
くつを つくっていたのは こびと だったのです。

ふうふは おれいを したいと おもいました。
「かわいい ふくを ぬって あげましょう」
おかみさんが いいました。
「くつも つくって あげなくちゃ」
くつやは こびとの くつを つくりました。

つぎのよるも こびとは やってきました。
すてきな ふくと くつを みつけて おおよろこびです。
「ぼくたちのだ」
「すごいや」
ぴょん ぴょん はねて うたいだしました。
それを みた ふうふは しあわせな きもちに なりました。

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