おはなし
ジャックと豆の木
イギリスの童話「ジャックと豆の木(まめのき)」。
- 文:東方明珠
- 声:須田勝也(コトリボイス)
- 絵/アニメ:ゆめある
本文
むかしむかしの おはなしです。
ジャックと いう まずしい おとこのこが
おかあさんに いわれて うしを うりに いきました。
とちゅうで ふしぎな おとこに あいました。
「まほうの まめで うしを うってくれ」
「まほう?」
ジャックは わくわくして うしと まめを こうかんしました。
おかあさんは かんかんです。
まめは まどから すてられてしまいました。
よくあさ そとには おおきな まめのきが のびていました。
「てっぺんが くもで みえないや」
ジャックは うれしくなって のぼっていきました。
やがて おやしきが みえてきました。
おんなの ひとが でてきました。
「ここは きょじんの いえよ。はやく おにげ」
「なんだって」
ジャックが かえろうとした しゅんかん、
どしーん、どしーん。
あしおとが ちかづいて きました。
「たいへん、たべられてしまうわ。だんろの なかへ かくれて」
ジャックが かくれたのと どうじ、
けむくじゃらの きょじんが あらわれました。
「ふんふん、にんげんの こどもの においが する」
「きのせいですよ」
きょじんは こうしを ぺろりと たいらげると
きんかを かぞえながら いねむりを はじめました。
「いまのうちだ」
ジャックは きんかを ひとふくろ せに かつぎ、やしきを とびだしました。
ところが、あんまり あわてたせいで ころんでしまったのです。
きょじんが めを さましました。
「まて」
ジャックは いそいで まめのきを おりました。
きょじんは ぐんぐん ちかづいて きます。
「おかあさん、はやく おのを もってきて!」
ジャックは おのを うけとり、ちからいっぱい ふりおろしました。
どどどーん。
まめのきは たおれ、きょじんは おちて しんでしまいました。
それからというもの ジャックは まじめに はたらいて
おかあさんと しあわせに くらしました。