• 文：東方明珠
• 絵／アニメ：ゆめある
• 声：土屋実紀（コトリボイス）

本文

そうたくんは　おかたづけが　にがてです。
つくえの　なかは　いつも　ぐちゃぐちゃ。
「はさみは　どこへ　いったかな？」
「あかえんぴつが　みつからないよう」
なにが　どこにあるのか　まったく　わかりません。

あるひのこと。
「なんだか　かたが　おもいなあ」
あさ　おきてから　からだの　ちょうしが　よく　ありません。
すこし　あるくだけで　いきが　きれるし、
あたまが　ぐらぐらして　たまりません。
「ねたら　よくなるかなあ」
べっどへ　よこになったら、こんどは　おきあがれなく　なりました。

おじいちゃんと　おばあちゃんが　おみまいに　やってきました。
そうたくんの　ようすを　みて、おじいちゃんは　めを　まるく　しました。
「たいへんだ。そうたは　あなじゃっき　という　じゃきに　とりつかれている」
「あなじゃっき？」
「きたない　つくえの　なかに　すくう　まものよ」
おばあちゃんも　しんけんな　かおを　しています。
「つくえの　ぬしから　ちからを　うばって　どんどん　ふえていくんだ」
「ふえすぎると　そのうち　いのちも　すいとっちゃうのよ」
さんにんは　いそいで　つくえへ　むかいました。
みれば、つくえの　なかには　おどろおどろしい　やみが　うずまいて　います。
その　なかに　ひかる　めが　ふたつ、よっつ、むっつ……。
このまま　ふえつづけたら　とんでもないことに　なります。

そうたくんは　つくえの　せいりを　はじめました。
「もう　ちょっとだよ」
おじいちゃんと　おばあちゃんが　おうえんして　くれます。
すっかり　きれいに　なったころ　あなじゃっきの　すがたは　あとかたもなく　きえていました。
そうたくんの　かたは　かるく、あたまも　すっきり　しています。
それからというもの、そうたくんの　つくえの　なかは　いつも　きれいに　なりました。