おはなし
ピノキオ
世界の童話「ピノキオ」。
- 原作:カルロ・コッローディ
- 文章:東方明珠
- 朗読:声屋あむねこ
- イラスト・アニメ:ゆめある
本文
おもちゃづくりの ゼペットじいさんは 丸太で 人形を 作りました。
「ピノキオ、おまえが ほんとうの 子ども だったらなあ」
ある夜 青のようせいが やってきました。
「いい子に なるのなら 人間に してあげますよ」
ピノキオは うごいて おしゃべりが できるように なりました。
ゼペットは よろこび 教科書を 買ってくれました。
「学校へ 行っておいで」
「行ってきます」
とちゅうで キツネと ネコに 会いました。
「学校なんて つまらないよ」
「サーカスを 見に行こう」
「うん」
ついていくと、ぶたいでは あやつりにんぎょうが おどっていました。
「ぼくも おどりたい」
ぶたいに あがると おきゃくさんは おおよろこびです。
「動く人形なんて めずらしい」
「もっと はたらいて もらおう」
ピノキオは かごに とじこめられて しまいました。
こまっていると 青のようせいが あらわれました。
「どうして 学校に 行かなかったのですか?」
「むりやり つれてこられたんだ」
うそを ついたとたん はなが にょきっと のびました。
「ごめんなさい。もう うそは つかないよ」
青のようせいは はなを もどして かごから 出してくれました。
家に かえると ゼペットが いません。
「きみを さがしに行って クジラに のまれたんだ」
コオロギが おしえてくれました。
「たいへんだ」
ピノキオは 海へ とびこみました。
大きな クジラが いました。
ピノキオは たくさんの 魚と いっしょに のみこまれました。
おなかの 中には いかだに のった ゼペットが いました。
「ピノキオ! よく ぶじで」
「たすけにきたよ」
二人は きょう力して クジラを 中から くすぐりました。
こちょ こちょ こちょ
「た、たまらーん」
クジラは いきおいよく ピノキオたちを はきだしました。
ピノキオは 心を 入れかえました。
毎日 しっかり 勉強を して おてつだいも たくさん しました。
「すっかり いい子に なりましたね」
青のようせいが つえを ひとふりすると ピノキオは 人間に なりました。
「お父さん」
「ピノキオ」
ふたりは いつまでも しあわせに くらしました。