おはなし
3びきのくま
世界の童話「3びきのくま」。
- 文章:東方明珠
- 朗読:声屋あむねこ
- イラスト:つなねこ
- アニメ:ゆめある
本文
ひとりの 女の子が 森の おくまで やってきました。
「すてきな 丸太の おうちが ある」
だれも いなかったので 中へ 入ってみました。
ここは 3びきのくまの 家でした。
大ぐまの お父さんと 中ぐまの お母さんと ちびぐまの ぼうやは さんぽ中です。
「くんくん、スープの いいにおい」
テーブルの 上には 大きなお皿と 中ぐらいのお皿と 小さな青いお皿が ありました。
女の子は さいしょに 大きな スプーンで 大皿のスープを ひと口 のみました。
つぎに 中皿のスープを ひと口 のみました。
さいごに 小さなお皿の スープを ひと口 のみました。
「これが いちばん おいしいわ」
女の子は 小さなお皿の スープを ぜんぶ のみほしました。
それから 大きな イスに すわってみました。
「かたすぎる」
つぎに 中くらいの イスに すわりました。
「やわらかすぎる」
さいごに 小さな イスに すわりました。
「ちょうどいい」
すっかり 気にいって すわっていたら イスは こわれてしまいました。
となりの 部屋には ベッドが 3つ ありました。
大きな ベッドに ねてみると 広すぎます。
中ぐらいの ベッドに ねてみれば こんどは 高すぎます。
小さな ベッドに ねてみたら ぴったりです。
「いいきもち」
女の子は そのまま ねむってしまいました。
そこへ 3びきのくまが もどってきました。
大ぐまが 大きなこえで 言いました。
「だれだね? わしの スープを のんだのは」
中ぐまが 中ぐらいのこえで 言いました。
「だれなの? わたしの スープを のんだのは」
ちびぐまが 小さなこえで 言いました。
「だあれ? ぼくの スープを ぜんぶ のんじゃったのは」
3びきは きょろきょろと あたりを 見まわしました。
大ぐまが 大きなこえで 言いました。
「だれだね? わしの イスを うごかしたのは」
中ぐまが 中ぐらいのこえで 言いました。
「だれなの? わたしの イスを うごかしたのは」
ちびぐまが 小さなこえで 言いました。
「だあれ? ぼくの イスを こわしちゃったのは」
3びきは おくの 部屋へ 行きました。
大ぐまが 言いました。
「だれだね? わしの ベッドを ぐちゃぐちゃに したのは」
中ぐまが 言いました。
「だれなの? わたしの ベッドを ぐちゃぐちゃに したのは」
ちびぐまは お父さんと お母さんの まねを しようとして びっくりしました。
「だあれ? ぼくの ベッドに ねているのは!」
「こわいよ、つかまえて!」
ちびぐまの かなきりごえで 女の子は めざめました。
3びきのくまを 見て とびおきます。
ばたん、どんがらがっしゃん!
女の子は あわてて まどから にげていきました。